2013年4月1日月曜日

ローマ皇帝の通信簿(アウグストゥス帝~テオドシウス帝)

塩野七生著の「ローマ人の物語」を参考に、個人的主観で、ローマ皇帝の通信簿を作成中です。

評価項目は以下の通り
・戦争…本人もしくは配下の軍事的才能
・民衆…民衆からの人気
・軍隊…軍隊からの支持
・元老…元老院からの支持
・治世…3年未満1、3~5年未満2、5年~10年未満3、10~20年未満4、20年以上5
・安定…反乱(内乱)、外敵・蛮族に侵入が発生した場合は低評価。ローマ帝国に住む人々の幸福度合
・滅亡…マイナスポイント。衰退につながる政策。
・ボーナス…偉業を達成

≪参考≫
■ユリウス・カエサル 暗殺
戦争5、民衆5、軍隊5、元老1、治世1、安定1 ボーナス5 合計23
※ガリア制圧、政敵ポンペイウスを撃破、帝政への道を開く

≪帝政初期≫
■アウグストゥス(紀元前30-14) 病死
戦争4、民衆5、軍隊4、元老4、治世5、安定3 ボーナス5 合計30
※内乱を終結、帝政の確立に貢献

■ティベリウス(14-37) 病死
戦争4、民衆2、軍隊3、元老2、治世5、安定4 ボーナス3 合計23
※帝政を盤石に。ゲルマニアから撤退。

■カリグラ(37-41) 暗殺
戦争1、民衆2、軍隊3、元老2、治世2、安定3 合計13

■クラウディウス(41-54) 暗殺
戦争3、民衆2、軍隊4、元老3、治世4、安定5 合計21
※歴史家皇帝。ブリタニア制圧

■ネロ(54-68) 自殺
戦争3、民衆2、軍隊1、元老1、治世4、安定3 合計14

■ガルバ(68-69)暗殺
戦争1、民衆3、軍隊1、元老4、治世1、安定2 合計12

■オトー(69)自殺
戦争1、民衆3、軍隊3、元老3、治世1、安定2 合計13

■ヴィテリウス(69)謀殺
戦争1、民衆2、軍隊2、元老3、治世1、安定1 合計10

■ヴェスパシアヌス(69-79) 病死
戦争3、民衆4、軍隊3、元老3、治世3、安定4 合計20
※ユダヤ戦役、コロセウム建設

■ティトゥス(79-81) 病死
戦争3、民衆4、軍隊4、元老4、治世1、安定5 合計21
※ユダヤ人の反乱を鎮圧、ヴェスヴィオ火山の噴火

■ドミティアヌス(81-96) 暗殺
戦争2、民衆3、軍隊5、元老1、治世4、安定3 合計18
※ゲルマニア防壁の建造

≪五賢帝時代≫
■ネルヴァ(96-98) 病死
戦争2、民衆3、軍隊3、元老5、治世1、安定5 合計19

■トライアヌス(98-117) 病死
戦争4、民衆5、軍隊5、元老5、治世5、安定5 総合29
※ダキアとアラビアを属州化。帝国の版図が最大化。 

■ハドリアヌス(117-138) 病死
戦争3、民衆4、軍隊5、元老3、治世5、安定4 総合24
※ハドリアヌスの防壁の建造、国境線強化、イェルサレムからのユダヤ人の追放 

■アントニヌス・ピウス(138-161) 病死
戦争1、民衆5、軍隊4、元老5、治世5、安定5  合計25

■マルクス・アウレリウス・アントニウス(161-180)  病死
戦争3、民衆5、軍隊4、元老5、治世4、安定2  合計23
※ゲルマン民族との戦いを優位にすすめ、ボヘミアの属州化を計画するも病死により頓挫。

≪五賢帝以後≫
■コモドゥス(180-192) 暗殺
戦争2、民衆2、軍隊4、元老2、治世4、安定4  合計19
※ゲルマン民族と和平。

■セプティミウス・セヴェルス(193ー211) 病死
戦争4、民衆4、軍隊4、元老2、治世4、安定3 滅亡-3 合計19
※北部メソポタミアを属州化。軍制改革。

■カラカラ(211-217) 暗殺
戦争4、民衆1、軍隊2、元老2、治世3、安定5、滅亡-5 合計12
※属州民とローマ市民の差別を撤廃、国境線強化

■マクリウス(217-218) 暗殺
戦争2、民衆2、軍隊1、元老2、治世1、安定4 合計12
※北部メソポタミアを割譲

■ヘラバガルス(218-222) 暗殺
戦争2、民衆1、軍隊1、元老2、治世2、安定4 合計12

■アレクサンデル・セヴェルス(222-235) 暗殺
戦争3、民衆2、軍隊2、元老3、治世4、安定4 合計18
※北部メソポタミア奪還

≪軍人皇帝時代(元老院の影響力の低下)≫
■マクシミヌス・トラクス(235-238) 暗殺
戦争4、民衆3、軍隊3、元老1、治世2、安定4  合計17

■ゴルディアヌス3世(238-244) 暗殺
戦争2、民衆3、軍隊2、元老3、治世3、安定2  合計15
※ササン朝にアンティオキアを略奪されるが、のち占領されていた北部メソポタミアを再復。

■フィリップス・アラブス(244-249) 自殺
戦争2、民衆3、軍隊1、元老2、治世3、安定3 合計14
ササン朝と講和、北部メソポタミアの割譲、建国1千年祭

■デキウス(249-251) 戦死
戦争3、民衆3、軍隊4、元老3、治世1、安定2 合計16
※社会の秩序を取り戻そうとキリスト教徒を弾圧。防衛線再構築。ゴート族との戦闘中に戦死。

■トレボニアヌス・ガルス(251-253) 暗殺
戦争1、民衆2、軍隊1、元老3、治世1、安定2 合計10
※ゴート族と講和。その後30万の蛮族の大侵入、各都市を略奪して引き上げる。

■ヴァレリアヌス(253-260) 獄死
戦争2、民衆3、軍隊4、元老3、治世3、安定2 合計17
※公務も兵役も回避するキリスト教徒を弾圧。ササン朝のシャープール1世に捕らわれる。

■ガリエヌス(260-268) 暗殺
戦争2、民衆2、軍隊1、元老2、治世3、安定1、滅亡-5 合計6
※ガリア帝国・パルミア王国の独立。ゲルマニア防壁内を放棄。元老院と軍隊の分離。

■クラウディウス・ゴティクス(268-270) 病死
戦争4、民衆3、軍隊4、元老4、治世2、安定3 合計20
※ゴート族を征した者という意味の「ゴティクス」と呼ばれる。

■アウレリアヌス(270-275) 謀殺
戦争5、民衆4、軍隊4、元老2、治世2、安定2 ボーナス5 合計24
※ローマに城壁を建設。属州ダキアの放棄。パルミア攻略、ガリア再復し、ローマ帝国再統一。

■プロブス(276-282) 謀殺
戦争3、民衆4、軍隊4、元老3、治世3、安定1 合計18

■カルス(282-283) 事故死
戦争4、民衆3、軍隊4、元老3、治世1、安定4 合計19
※北部メソポタミア再復

≪専制君主制時代(独裁の始まり・中世への礎)≫
■ディオクレティアヌス(284-305) 病死
戦争4、民衆-、軍隊4、元老-、治世5、安定4、滅亡-1 合計16
※四頭政、軍隊倍増、防衛線強化、キリスト教徒弾圧、元老院と軍隊の完全分離、職業の世襲化

■コンスタンティヌス(307-333) 病死
戦争4、民衆-、軍隊4、元老-、治世5、安定2、滅亡-1 合計14
※コンスタンティノープルへ遷都、キリスト教を公認

■コンスタンティウス(337-361) 病死
戦争3、民衆-、軍隊3、元老-、治世5、安定2 滅亡-3 合計10
※ライバルの粛清・内戦による軍事力・国力の低下、蛮族の侵入常態化、キリスト教を優遇

■ユリアヌス(361-363) 戦死
戦争4、民衆-、軍隊4、元老-、治世2、安定3 合計13
※キリスト教優遇策を撤廃、ペルシャ遠征失敗

■ヨヴィアヌス(363-364) 病死
戦争2、民衆-、軍隊4、元老-、治世1、安定4 合計11
※ユリアヌスの政策の廃棄、北部メソポタミアの割譲

■ヴァレンティニアヌス(364-375) 急死
戦争4、民衆-、軍隊3、元老-、治世4、安定3 合計14

■ヴァレンス(364-378)戦死
戦争1、民衆-、軍隊3、元老-、治世4.安定1 滅亡-1 合計8
※帝国内にゴート族の移住を認めるが、そのゴート族に大敗

■テオドシウス(378-395)病死
戦争3、民衆-、軍隊3、元老-、治世4、安定3 合計13
※異端(アリウス派)・異教の弾圧、ローマ帝国のキリスト(カトリック)教国化



「善帝」ベストランキング
1位:アウグストゥス(紀元前30-14) 30
2位:トライアヌス(98-117) 29
3位:アントニウス・ピウス(138-161) 25
4位:ハドリアヌス(117-138) 24
5位:アウレリアヌス(270-275) 24
6位:ティベリウス(14-37) 23
7位:マルクス・アウレリウス・アントニヌス(161-180) 23
8位:ティトゥス(79-81) 21
9位:クラウディウス(41-54) 21
10位:クラウディウス・ゴティクス(268-270) 20


「悪帝」ワーストランキング
1位:ガリエヌス(260-268) 6
2位:ヴァレンス(364-378) 8 
3位:ヴィテリウス(69) 10
4位:トレボニアヌス・ガルス(251-253) 10
5位:コンスタンティウス(337-361)10
6位:ヨヴィアヌス(363-364) 11
7位:ガルバ(68-69) 12
8位:ヘラバガルス(218-222) 12
9位:カラカラ(211-217) 12
10位:オトー(69) 13

0 件のコメント:

コメントを投稿